『遮那王 義経』

 今回は義経ものの長寿漫画、沢田ひろふみ氏の『遮那王 義経』で奥州関連のツイートをまとめました。
『遮那王 義経』は純粋に面白いですね。ちょっと義経ageがアレな面もありますが、明るくて快活な義経は見てて気持ち良いです。


『遮那王 義経』(by沢田よしふみ先生)


 やすひら分が足りないのでマンキツで『遮那王』の彼の出番あるとこ再読してきた。しかし行ったら所定の場所から無くなっていて「ああああ、リストラされてしまったかぁぁ」と思ってたら「スタッフのお勧め」コーナーに!! いや、お勧めなら続編の『源平の合戦』も入れてくださいよ。(第一部しかない・・・・・)


『遮那王義経』は沢田ひろふみ先生作の義経ものの長寿漫画。鞍馬山時代から奥州時代までを描いた第一部が全22巻、奥州を出て源平の戰に参戦する第二部が現在26巻まで出て継続中。この前、壇ノ浦の合戦が終わったところ。


 『遮那王義経』のやすひらのキャラデザは個人的にはあまり好みでないけど、性格設定とかは『炎立つ』のやすひらに次いで好き。
 『炎立つ』のやすひらともまた違って、明るくて心が広くて気さくで勇敢で奥州の後継者としての自覚と覚悟もしっかりもっているという理想的な跡取りって感じでこういうやすひらもいい。


 で、このやすひらはとってもいい感じなんけど、初登場巻(第一部の15巻だっけ?)の後書きに  「義経知っている人は、このやすひらの人物設定に驚くかもしれません。でも『遮那王』は一味違いますから。今後彼がどう変わっていくか、あるいは変わらないのか、お楽しみに」  とか書いてあって・・・・・・・

……ええええ変わっちゃうのぉぉぉ!!! 

 いやぁ、あのやすひらが豹変しちゃって結局一般的なやすひら像に合流するとかすっごい嫌なのでなんとか変わらない方向でつじつまを合わせていただきたいと切に願う。


 しかし、『遮那王』のやすひらは勇敢で平泉の嫡男としての自覚と覚悟はあるんだけど、一方で屈託が無さ過ぎて逆境にあったことの無いボンボンという感じもする。裏表が無いのも政治家としてはマイナス点だろうし、異母兄の国衡とは仲悪いままだし、奥州武士は平和ぼけ風味だし、と実はフラグがバンバンたっている(汗)


 そもそもこの漫画自体、明るい歴史活劇ものに見えてけっこう容赦ないとこがあるからな。最初は好漢として登場した義仲もどんどん堕落したし(最後は戻ったが)、頼朝も好人物で壇ノ浦が終わっても義経との仲にほとんどヒビ無くて今後これどうすんの?と思ったら今月のアレだろ? 豹変しちゃった……

 容赦ないと言えば、義高が生存ルートだったので、子どもは殺さない路線かと思ってたら、壇ノ浦で安徳帝しっかり死ぬし、そう言えば頼朝の最初の子どもも乳飲み子なのに川に投げられて殺されるし、やっぱり容赦ない路線だったのね。


 それにしても「義経知っている人は、このやすひらの人物設定に驚くかもしれません」(15巻後書き)って・・・・・・これってやっぱり一般的なやすひら人物像を意識してあえて言ってるんでしょうね。いいぞ、その意気です。




とってもピーチ姫です、ありがとうございました


 さて、やすひら好きとしてはここはやはり19巻~22巻の奥州動乱についてピックアップしたいと思います。
 義経奥州時代の完全オリジナルエピソードだけど、実は一番好きなエピソード。

 平和な奥州でにわかに起こった放火や藤原家の家臣連続殺人事件。その中でやすひらの養育係で幼い頃から一緒だったか家臣・吉野も殺されてしまう。怒り狂って犯人探しにのりだすやすひらだが、逆に敵の罠にはまり人質に・・・・・・

 藤原氏の宿命の敵・清原氏の残党の陰謀、一難去ってまた一難の二点三点する状況、交差する人々の思惑。話としてもとてもよくできています。


 しかし、奥州動乱編の最大のポイントは最初から最後までずっと囚われのピーチ姫状態だったやすひらたん だろう。いや、まじ最初の方で敵の人質になって後はずっとピーチ姫とかどんだけおいしい展開なんだよ、うける。

 でもやすひらもおとなしく捕まっているわけではありません! 平泉を守るため、自分が人質として利用されるのをふせごうと自害を図る(失敗したけど)とか、なかなか嫡男としての覚悟を見せてくれます。
 ……でも「こいつらに有利な駒は一つでも消さなきゃならない!!」って決意とか(今回は自分に向いたけど)なんかの伏線ですか(大汗) 


 そしてそんなやすひらを奪還しようと皆(義経主従や佐藤兄弟、もちろん秀衡も)ががんばる展開もすてきだ。
 特に義経がすげぇ心配して助けるために必死になっているのが最高。 やすひらの危機に要所要所で見せる表情がすごいいい。私は『遮那王』では全然BL妄想できないんですが、それでもやすひらの身を案じる義経の反応は見てて嬉しいものです。

 秀衡がこれ以上奥州に被害が出ることを避けるためやすひらの犠牲もやむなし、と考えが傾いた時は

「(だめだ、やすひら殿は殺させない オイラが助けてみせる)」



 とまで心中で言い、今までためらっていた「手荒な方法」も実行するのです。


 物語のピークは最終決戦で敵がやすひらを盾にした時、(敵の注意をそらすための作戦だったけど)義経が

「もし返さなければ平泉のため やすひら殿の犠牲もやむなしとして総攻撃に移る!!(略)もとよりやすひら殿も覚悟の上! 前にも舌を嚙もうとしたはずだ!!」



と叫び、やすひらも決意の表情で応えるシーンだな。最高に燃え上がるシーンだったよ!



 あと奥州動乱編では、秀衡とやすひら親子の微妙な壁とかがさりげなく書かれていたのも良かった。この親子、仲が悪いわけじゃないけど

「(やすひらの養育係の)吉野はやすひらにとって父親のような者じゃ…儂以上にの…」



 とか実の父親なのに息子には自分より父親と慕う別人がいることを言う時の秀衡がわずかに見せた寂しげな表情がいい。でも結局父親である前に為政者として奥州の平和を第一に考える方を選ぶとか、そういう心理がとてもうまく描けているのも良かった。

 そして秀衡が奥州のためにやすひらの犠牲やむなしの決意した話を聞いて義経が「くそ~っ、血迷ったかあのジジイ!!」とか言っちゃうのワロタ。(時々秀衡のこと、内心でジジイと秀ジジイとか狸ジジイとか言っちゃう『遮那王』の義経)


 でも奥州動乱編で一番好きなのは奥州への思いを語る義経。佐藤兄弟に、なぜ奥州の人間ではない義経がそんなに奥州のために闘ってくれるのか、と問われ

義経「ここが好きだから」
佐藤継信「え? こんな蝦夷と蔑まれている田舎が?」
義経「オイラは京の洛中に居るよりここが落ち着く。人も風も匂いも好きだ。故郷みたいに感じているんだ。だから守りたいんだ」



 こっちまで奥州好きになる名場面! 
 思えばこの時の義経の奥州にかける思いが伝染した、というのも私が奥州好きに傾いた一つの要因だったのかもしれない。

 そしてすべて終わった後秀衡に対しても

義経「たとえ何があってもこの奥州は誰の手にも汚させてはなりません。その為ならオイラは何でもしますよ!」



 とか言っちゃてるけど!! 
 え~と、今後これどーなんの? 
 
 こんなセリフ言わせるなんて作者マジ性格ねじ曲がってるの? とか思う。やめたげてよ!!!』


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