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清衡さまでシンデレラ

 ・・・・・・・ええっと、わたしこのブログで泰/衡と義経の話ばっかりしていますが、奥州藤原氏を調べているうちに、初代の清衡さまにもはまってしまいまして・・・・・・・

 特に後3年合戦コンビの源義家とのあれやこれやとか気になりますね・・・・・・・私は義家は清衡の父の藤原経清のことが大好きで経清の面影を清衡に重ねてそれで清衡のこと大好きで、清衡は義家のこと大嫌いででも目的のためにそれを隠して一緒にいるうちにちょっとは心が動いてしまう系の関係を妄想しています。

 で、清衡と言えば、後に黄金の平泉を築いた男ですが、その幼少期から前半生はみじめで苦難の日々であるというギャップにも萌えますね。
 その萌えが高じて、「清衡の前半生ってシンデレラで説明できるんじゃね?」というアホな発想が浮かび、泰/衡と義経のまともな話もまだ書いていないのに、突発的に「清衡さまでシンデレラ」あるいは「シンデレラで後3年合戦を説明する」というネタを勢いで書いてしまったしだいです(でも推敲tかで結局完成まで日数かかった・・・・・)


 配役は、

 清衡→シンデレラ
 義家→王子さま
 安/倍/宗/任→魔法使い
 清原家→いじわるな継母と義姉妹

 弁明的注意点

・清原家、個体の区別をつけるとさらにややこしいので「清原家一」とかいう扱いです
・なぜか遠流の宗/任が出てきているが気にしてはいけない
・清衡の母はすいません割愛しました・・・・
・義家がひどい・・・・・とにかくひどい・・・・・私の義家はひどいめにあってなんぼ、ということを理解していただければ・・・・
・てか清衡が酷い・・・・・・

 



 むかしむかし(1080年前後)あるところに(出羽)、藤原清衡という可哀そうな男の子がおりました。
 清衡の父・藤原経清は戦で死に、おさない清衡は父の仇である清原家に母方の安倍一族の遺産目当てで養子にされてしまいました。
 清原姓をもらった養子とは言ってもそれは名ばかり。清衡はいじわるな継父や兄など清原一族にこきつかわれる毎日を送っていたのです。
清原一「(床の隅を指でなぞり)おい、なにがそうじは終わっただ。見ろ、指にほこりがついてるだろ。全部やりなおせ」
清原二「この吸い物塩が多すぎる!俺を早死にさせる気か、まったく恐ろしい子だよ」
清原三「市に行ってこの薪売ってきな。全部売れるまで屋敷にはいれないぞ」
清原四「自分の食い扶持くらい稼いでこい。稼いでこられないならおまえの身体で払ってもらうからな」
清衡「うううう・・・・」
 と、大豪族なんだから家人にやらせよー、とツッこみたいような家事雑用を押しつけられ清衡は灰をかぶったような汚いかっこうで毎日すごしておりました。
 夜になると清衡は与えられた物置で、清原一族の藁人形を作っては引き裂いて昼間のうっ憤をはらすという根暗でちょっと危ない子に育っていきました。


 月日は流れ、灰かぶりはあいかわらずのまま清衡もすっかり大人になったある日、お城(国府多賀城)に新しい陸奥守・源義家さまが着任してまいりました。清原の一族はさっそく宴に呼ばれましたが清衡は
清原一「おまえみたいな汚いかっこうでお城にあがれるわけないだろ」
と笑いながら言われ一人おるすばんです。
清衡「ああ、いまごろお城では宴かぁ」
 清衡は少し残念に思いましたが、彼には宴に着ていくような服も乗っていく馬もありません。
 清衡は自分の気持ちが落ち込み気味なのに気づき、これではだめだ前向きに生きなければと思い、せっかくだれもいないので記念すべき2000体目の「清原一族亡びろ呪いの藁人形」を作り終えようと自分の部屋である物置に戻ります。さすがに2000体も呪いの藁人形を作っていると技術も向上し芸術性も高まり後世に国の重要文化財に登録されてもおかしくないできばえとなってきておりました。


 しかし清衡が呪いの藁人形で足の踏み場もないという精神衛生上極めて不健全な物置に戻ると、そこに誰かがひそんでいる様子です。
清衡「何奴! おとなしく姿をあらわせ。さもなくば部屋と屋敷に火をつけるぞ」
宗任「待て待て、わしじゃわし」
清衡「あ、あなたは宗任叔父殿!」
宗任「はっはっはっ、久しぶりじゃの。自分の部屋に火を放つことにためらわぬような容赦のない男に育ってくれたようで嬉しいのぉ」
 それは清衡の母の弟、安倍宗任でした。先の戦で敵に捕らわれ流された男ですが、数年前にこっそり陸奥に戻り、清原の目をぬすんでは清衡に会いに来ていました。
宗任「清衡よ、新しい陸奥守がいらしてお城では宴が開かれておるというのにこんなところでなにをしておる」
清衡「わたしはお城にあがることが許されていません。それにふさわしい服もないし、馬もないのですよ」
宗任「案ずるな。わしが魔法、もとい金の力で服も馬も用意した。多賀城の番人はすでにわしが買収している。今夜、城にさえ行けばそなたは陸奥守に目通りがかなう。ささ、早く支度を」
 清衡は半ばわけのわからないまま、宗任が用意したなにやら艶めかしい香をたきしめした新しい衣服に着替え身支度をととのえます。一通り終わるとそこにはもう灰かぶりではなく都の貴族にも劣らぬような品のある美しい若者がおりました。
宗任「おお・・・・・やはりそうしているとそなたの父君、経清殿そのものじゃ。これならきっとあの陸奥守もお気に召すに違いない。さあ、清衡。いますぐお城に行って陸奥守、源義家とお会いしてくるのじゃ」
清衡「・・・・・・あ、あのその方に会ってどうしろと・・・・・」
宗任「会えばわかる。その姿を義家に見せれば向こうが勝手にわかってくれる。あの男は安倍とそなたの父の無念をはらすため、必ずそなたにお力を貸してくれるだろう」
 清衡はまだ納得がいかないながらも、宗任の話に興味をひかれとりあえず多賀城に行くことにしました。そんな清衡に宗任はなぞの忠告をします。
宗任「よいか、我らの本願をかなう日が来たら儂はお寺の鐘を鳴らす。さすればすぐにそなたは義家から離れて奥六郡に戻るのじゃ。義家をたぶらかす魔法もそのころには解けてしまうからな」
清衡「服や馬がなくなってしまうのですか?」
宗任「いやいや、そなたが経清様から受け継がれたその姿こそ魔法よ」
 宗任はそう言って意味あり気に笑いました。


 多賀城では土地の有力者の挨拶を一通り受けた新任の陸奥守・源義家が一人宴から離れ、自室で休んでおりました。八幡太郎、軍神の名高い義家を皆が畏れ敬っていますが、義家の気持ちは沈んでいます。
 かつて青年の頃、父について陸奥で過ごした時に義家は藤原経清という男に恋をしました。しかし運命のいたずらで義家と経清は敵同士になり、とうとう義家が指一本触れられないうちに経清は殺されてしまいました。
 かなわなかった初恋の思い出は陸奥を離れ時を経ようと薄れることなく、むしろこじらせて発酵し煮詰まる一方となっていました。

『ははは~、義家殿~つかまえてごらんなさい~』『あはは、待ってよ、経清殿』
『経清、わたしと一緒に逃げましょう。あなたのために源氏を捨てます。』『義家殿・・・・・嬉しい、あなたと一緒なら地の果てでもつらくはありませぬ』

 ・・・・・・と毎日事実無根の妄想を繰り返し、物語風にして書き綴っておりました。
 それはすでにかの『源氏物語』をはるかに超える長さとなり、二人が駆け落ちして海辺で暮らしたり、実は実の兄弟かもしれないという疑惑が持ち上がったり、片方が記憶喪失になったりするという波乱万丈を経て、義家と経清の間に二人目の子どもが生まれたあたりまで話が進んでおりました。この痛々しい長編物語が後世に残らなかったことは義家自身とその流れをくむ河内源氏にとってまことに僥倖でありました。
 さて、義家はこのたび懐かしい陸奥に戻ってくるにあたり、またこの地で経清に少しでも似た男に会えないものかと淡い期待も抱いておりました。しかし、挨拶に訪れた有力者たちは数多けれど、少しでも似た男など一人もおりませんでした。
 と、そこに従者が清原清衡と名乗る男の来訪を告げました。陸奥と出羽の真の支配者とも言える清原の面々とは先ほど会ったばかりですが、そのような男の名はありませんでした。不思議に思いつつ義家はその男に会ってみることにしました。


清衡「清原武貞の次男、清衡にございます」
 そう名乗って平伏していた顔を上げると義家が驚愕の表情でこちらを見ていました。
義家「・・・・・・っ・・・・・・・」
清衡「つ?」
義家「つ、経清殿ぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
 そう叫ぶと義家は清衡に駆け寄りしかっと彼を抱き締めました。
清衡「えっ、あの、陸奥守様?」
義家「あああ、経清殿!! 私の元に帰ってきていただけたのですねぇええ! そんなにも私のことを思ってくださるなんて。この義家二度とあなたを離しはいたしませぬ」
清衡「あのぉ、ちょっ・・・・・」
義家「さ、私達の間に言葉などいりませぬ。こちらへ」
 義家はとまどう清衡をお姫様だっこし、そのまま寝室に連れ込もうとしました。
清衡「な・・・・・なにさらすんじゃ、この変態じじい!!!」
その瞬間、おとなしそうに見えて根は凶暴な清衡はお姫様だっこされながらも器用に身を動かし、回転の効いた強烈な回し蹴りを義家の顔面に一分の手加減もなく決めたのでございました。


義家「うううう、殴ったね、父上にも殴られたことないのに」
清衡「殴ってなどおりません」
 たしかに殴ってはおりませんので、清衡はそう申しあげました。義家は清衡の容赦のない強烈な回し蹴りにかなりの打撃を受け、しばらくひっくり返っていましたが、一方でこの痛みがくせになりそうな不思議な気持ちも芽生えてきておりました。
義家「まあ、こちらも挨拶もせずにいきなり床に連れ込もうとしたのは失礼した。この春より陸奥守に任じられた源義家じゃ。・・・・・・そなたもしや藤原朝臣経清殿の?」
清衡「経清は我が亡き父にございます」
 清衡は礼儀正しくそう答えながら襲われたらいつでも逃げられるように身がまえておりました。
義家「そうかやはりな、経清殿の御子息が清原家の養子に入ったとは風の噂で聞いておったが、そなたは実に経清殿によく似ておられる」
 義家はやや陶酔気味に言い、清衡は適当にうなずきながら部屋の中に相手の後頭部を強打するのに適したものはないかとひそかに探しておりました。
義家「さ、それでは挨拶も済んだことだし、隣の部屋へまいろう。床は用意してある」
清衡「挨拶すればいいというものではありませぬ」
 答えながら清衡はやはり陸奥守を鈍器とかで殴って逃げたとあってはのちのち禍となる、どういう角度で殴れば打ちどころが悪くて自分が殴ったことも忘れてくれるだろうか、というところまで考えを進めておりました。
義家「清衡殿、儂は決して生半可な気持ちでこのようなことを申しておるのではない。いっそのことそなたを儂のもとに引き取り生涯の伴侶としたいくらい真剣なのじゃぞ」 
清衡「…………陸奥守様、わたしはかつての逆賊安倍一族の血をひき、今は清原家に繫がれるもの。そのような私が陸奥守様のお側に侍っては清原の者たちが黙ってはおりますまい」
 清衡はもう後のことはどうでもいいからお城に火を放ってさっさと帰りたい気分になりながら、適当に義家を牽制します。 が、
義家「さようか。そのような障害があるのじゃな。案ずるな。儂がそなたと儂の仲を邪魔するようなことはすべて取り除いてやろう。そなたはもともと従五位の経清殿の御子息。今の境遇を脱すれば決して儂と釣り合わぬわけではない」
 その言葉を聞いて清衡はやっと宗任が自分をお城によこしたわけを理解いたしました。理解ができれば清衡は決断の早い男でございます。
清衡「かたじけないお言葉にございます。もしそのようなことが成りましたら私めも陸奥守様のお側に侍りますのになんの問題もございません」
義家「おおそうかそうか、これは僥倖。ではこれからのことはゆっくり話すとして、今夜はぜひ泊まっていきなされ」
清衡「む、陸奥守様、お待ちを。今の私がお仕えしては陸奥守様のお名を汚しまする。どうぞ事が成り、あなた様にふさわしい男となるまでお待ちいただきたく存じます。それまでわが身は清く処しておきますゆえ……」
 言っていて自分でも気持ち悪くなりますが、清衡は切々と義家に訴えます。
義家「そんな………いや、それはそれで立派なお考え、儂もそなたのその清らかな志に応えねばなるまいて。しばし待つとするが、すべての事が成就したあかつきにはぜひ儂のもとへ来てくだされよ」
 清衡はとりあえずの危機は脱したと安堵し、あとあとのことはその時考えることにいたしました。



 こうして(?)清原家にお家騒動が起こり、ついでに後3年の合戦が起こり、清原家の主だった人々は滅びてしまいました。



義家「いやぁ、清衡殿、ついにこの日が来ましたな」
 義家は満足そうにかたわらの清衡に語りかけます。いまや清衡は安倍氏の奥六郡を取り戻し、さらに清原家の出羽まで手に入れておりました。
義家「これからは二人で手を携えて陸奥を治めてまいりましょうぞ……さて、清衡殿……ずいぶん長い間待たされたが、今はもうなんの遠慮もいらぬであろう」
 そう言いながら義家は清衡を抱き寄せます。
清衡「よ、義家さま、し、しばしお待ちを……」
義家「いや何年待ったと思っておるのだ。これ以上は少したりとも待てぬよ」
 今までもいくどか義家の理性が切れて危ないめにあいかけたことはあり、そのたびにうまく逃れてきた清衡でしたが、今度ばかりは口実がございません。が
「デンポーデンポー」
 と、もはや時代考証完全無視で、京都から電報が届けられました。
義家「なんだ、いいところなのに…………はっ?」
 電報を見た義家は固まってしまっております。清衡が乱されかけた服を直しながらのぞいてみると

『陸奥守ヲ解任ス スグ帰レ  内裏』

義家「な……なんじゃ、こりゃ!!!!」
清衡「(ぼそっ)まにあったか………」
義家「? いまなにか?」
清衡「いえ、なにも。それより義家さま、どうやら内裏の方でなにか誤解があるようです。すぐに京にお戻りになり内裏の方々と直接お話ししてくるべきです!」
義家「え、いや、そんな急に、まだ清衡殿のことだってこれから……」
清衡「なにを言っていおられるのです! まずは一刻も早く京に戻り内裏に行くのが肝要。時が過ぎるほどややこしくなりますよ」
義家「うう、そ、そうか?」
 清衡は義家が動揺しているのをいいことに勢いで言い含めます。
実は合戦が終結に向かっていたころから清衡はひそかに内裏に義家が陸奥守の職務を放棄して清原家のお家騒動に介入していることを伝え、さらに安倍宗任が公卿に面々に黄金をばらまいて義家が陸奥守から解任されるよう裏取引をしていたのでした。
義家「ううう、清衡殿、公卿の連中を黙らせたらすぐに戻ってきますから、それまで待っていてくだされよ」
清衡「ご安心を。私でしたらいつまでも義家さまのお帰りをお待ちしていますから、帰ってこられましたら続きをしましょう」
 なかば強引に清衡に背中を押されるように出立する義家を清衡は心にもない言葉で送りだします。もちろん、義家が陸奥に戻れる日は二度ときませんでした。


 こうして陸奥に一人残った清衡は、平泉を中心に京にも劣らない立派な都を立て、奥州に黄金の世紀を築いたのでした。
 めでたしめでたし。


(終)





後書き

 すいませんでしたーーーー!!!!!
 いやまあ、考える分には楽しいんですけどね。

 ラストの清衡の義家に対する仕打ちですが、とろあえず歴史学的根拠はないのですが、私は(ネタばれになるので作品名は伏せますが)某歴史小説の展開が好きで、それに準じて後3年合戦後の義家の陸奥守解任には清衡の裏工作があった、と考えています。おそらく私の書く清衡と義家はすべてこの考えが前提となります。史実的には内裏のみが出てきますが、もし清衡がこの件でなにも関わってないとすれば、私の清衡に対する評価はだいぶ減退するでしょうね。

 ただ、清衡が義家を陥れた展開で重要なのは、それが表面的な話を聞くと清衡がひどいように思えるけど、結局義家の自業自得だった(むしろ清衡はよくやった!)、もしくは清衡の方にそれをするだけの十分な理があった、と読者に感じさせるようなものが理想なんですけど・・・・・・今回のはまあギャグ展開なのでそのへんがいまいちだめでしたね。


 さて、こんな展開ではあんまりだ、かつシンデレラネタで回収されていない鐘の音とかガラスの靴とかを回収するために、シリアスパートを作りました。清衡と義家が分かれる場面にそのまま書き込むつもりでしたが、やはり完全ギャグパートとは分けたほうがいいと思い分離しました。
 よろしければこちらもどうぞ。

清衡さまでシンデレラ Re-lode




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