第一話

「狙撃手」第一話のあらすじと感想です。 あらすじ

 部下とともに日本軍の小部隊を待ち伏せする竜紹鉄。彼らの任務はその部隊から漢奸の大物を生け捕りにすること。しかし情報が漏れていたのか、竜らは逆に日本軍に包囲されていた。日本軍の猛攻撃の中、それでも竜は射撃術を駆使し日本軍に損害を与え標的を奪い取るが、部下は全滅してしまう。竜は標的と瀕死の少年兵を抱えて逃げるが、途中で標的は死に,少年兵も日本兵に囚われる。竜は自分に助けを求める少年兵をなぶり殺しの苦痛から救うため射殺する。

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竜がライフルのミラーごしに見た少年兵

 ちょうど付近を巡回中であった八路軍の大春の部隊が追われていた竜紹鉄を助ける。しかし神経過敏になっていた竜は大春に銃を向ける。大春の部下たちも慌てて竜に銃を向けるが、大春は部下に先に銃を下ろすよう命じる。竜は無言でその場を立ち去る。

 段旅の駐屯地では情報参謀の文軒が漢奸の疑いのある商人達を取り調べていた。かつての日本軍の蛮行が脳裏に甦った文は、許しを請う男たちを射殺する。

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漢奸容疑者に何発も銃弾を撃ち込む文軒

 茫然自失の態で駐屯地に帰還する竜紹鉄。段旅長は彼をねぎらうが、戦場に嫌気がさした竜は退役を申請するものの拒絶される。一人で生還した竜は他の兵士達から「彼はいつもそうだ」と白い目で見られ、文にも呼び出される。

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駐屯地に帰還した竜

 八路軍の林団司令部では林団長が、段旅長は我々に対して好感を抱いているが戦区の上部はそんな彼を警戒していると分析をしていた。その駐屯地に帰ってきた大春は突然、射撃の練習に熱中しはじめ、夜になり寝床の中でも銃をいじることをやめない。呆れる仲間たちに大春は、昼間のあの小さな鏡が付いた素晴しい銃のことが頭から離れられない,自分にもあんな銃があったらどんなにいいか知れないが蒋介石が支給してくれるわけもない、と話し、日本軍から盗んでくることを考えつく。
 
 一方、日本軍の大野旅団長は中国軍に危険な狙撃手が現れたことに警戒し、上部に優秀な狙撃手を派遣してくれるよう要請する。

 文は何故待ち伏せに気がつかなかったのかと問い詰めるが、竜は答える気になれない。そこに長い出張から帰ってきた蘇雲暁が現れ、初めて顔を合わせた二人は互いを見て驚愕する。文から解放された竜は人から彼女は文の妻だと聞かされショックを受ける。文は二人のことをいぶかしがるが、蘇は動揺しながら彼のことは知らないと答える。

 夜、竜紹鉄と蘇雲暁は互いの事情を話し合う。竜と蘇は幼馴染で永遠に一緒にいることを誓った仲だった。蘇は竜が生きていたとは知らなかった、と話す。竜はつい、日本軍が村を襲ったあの日,自分は彼女を探しに行ったのにどこに行ってしまったのかと問いただす。蘇は、あなたは来るのが遅すぎた,父母が殺され自分も逃げるしかなかったと話す。竜は彼女の結婚を祝福する言葉をかける。


感想

 竜が少年兵を射殺せざるを得ない場面や文が許しを請う男たちを射殺しさらに死体に何発も銃弾を打ち込む場面など、初回からかなり精神的にきついシーンが続くので見る時はそのつもりでちょっと覚悟を決めて見たほうがいいだろう。それにしても文が漢奸容疑者を殺害した状況は完全に違法な私的処置にしか見えないのだが(汗)。
 
 竜が日本兵になぶられる少年兵を苦痛から解放してやる場面では、一度は銃口を少年兵に向けるものの日本兵に滅多刺しにされながらもそれでも生きようとする相手を見てどうしても撃つことは出来ず、竜は銃口をいったん下ろしてしまう。しかし意を決してもう一度銃を構え直しとどめを刺してやる。少年兵を射殺する行為がいかに竜に巨大な苦痛を与え、彼がその感情をあえて押し殺し引き金を引いたかがよく伝わってくる。

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 一人生還し、仲間たちから白い目で見られたり、いきなり退役を希望したりと、竜が抗日モノにとって異色の主人公であることもわかる。

ピックアップ場面 


少年兵「(自分を置いて標的を連れ戻しに行こうとする竜に)長官、ぼくを見捨てないでください」
竜紹鉄「ここでじっとしてるんだ」
 少年兵、竜の軍服を掴み、必死に懇願する。
少年兵「長官! ぼくを置いていかないで!」
竜「迎えに来るから!」
 少年兵を振り払う竜。



 そして竜は約束通り戻ってきたが、すでに少年兵は日本兵に捕まってなぶられていた・・・というわけだ。


用語解説
漢奸
漢民族あるいは中国人の裏切り者、売国奴。日中戦争時には、自己の利益のため積極的に日本軍や大日本帝国の政策に協力する人々を指した。協力とは主に、日本の傀儡政権で高い役職に就く,中国政府や軍の情報を漏洩する,日本軍に反抗的な言動をする人々や抗日組織の参加者を密告する,日本軍の通訳をする、などである。陣地構築や荷物運びなど日本軍によって強制的に労働に従事させられた人々は当てはまらない。しばしば政府・軍の方針に非協力的な中国人もこのレッテルを貼られ、不利益やリンチを受ける場合もあった。しかし一般的に公式の取調べ・裁判にかけられるのは積極的具体的に協力した者である。漢奸は時に日本軍そのものより中国人の憎しみを買い、この容疑をかけられることは最も不名誉なこととされていた。
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