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11話死神盛宴 12話ケダモノ

第11話あらすじ

 林団では、日本軍が準備中の夏季攻勢は空前の規模の会戦になる見込みで、特に新八旅を壊滅させることに力を入れてくるだろうとし、そうして中条山地区の中央軍を瓦解させた後、八路軍に本格的な掃討をかけるつもりだと分析する。
 大春はこの間から仲違いをしていた九児と関係を修復する。一方、竜紹鉄石頭を連れて大野連隊本部の偵察に行くが、彼が偵察に出た情報までスパイによって日本軍に漏れ、急いで引き返す。文軒は竜の行動を問題視し、銃を没収する。

 新兵の訓練をする竜は「実弾演習をしなければ彼らに戦場の何たるかを教えることはできない」と言い、何とかして演習用の実弾を支給してくれるよう段旅長に頼みこみ、段旅長は無理を重ねて実弾を用意する。

 芥川は竜が生きていることを知り驚愕する。また彼が訓練した新兵たちは必ず日本軍の脅威となるだろうと言い、訓練が終わる前に新八旅を攻撃するよう提案する。新八旅内のスパイに不信感を抱く大野は渋るが、芥川は「この人物」は絶対に信頼できると言い張る。

 竜は新兵たちに射撃訓練を施しながら、今まで他人に関心を持たなかったのに彼らに対して愛着を持つようになった自分の変化に驚く。そして彼らを生還させるため、少しでも多くの訓練の時間が欲しいと切に願う。
 だが日本軍は行動を開始し、二日後には会戦が始まることとなり、新兵たちも予備兵として前線で待機することとなる。竜は張脆から銃を奪い返し戦闘に備えるが、文軒によって旅本部と行動を共にするよう制限を受ける。蘇は彼の負担を減らすため「彼らは自分達で望んで兵士になった。あなたが過剰な精神的負担を負う必要はない」と言う。

 ところが日本軍は国軍が掴んでいた情報より7時間も早く侵攻を開始、それと同時に新八旅本部も空爆を受ける。遅れをとった新八旅も各部隊を陣地に入れるが、すでに3倍の兵力で包囲されてしまっていた。
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苦戦を強いられる新八旅

 段旅長は友軍に救援の電報を送り続けるが、援軍が来ることはない。自軍の実力を温存し、味方を見殺しにする友軍を段旅長は罵る。芥川は岡崎らを伴って前線司令部に近づき段旅長を狙撃しようとするが、竜に気づかれてしまう。
 前線の壕で待機する新兵たちは戦闘を望むが、班長の石頭は皆を押しとどめる。
 晋綏軍など他の国軍が新八旅を救援しないことを知った林団長は、彼らを救うため八路軍を動かすことを決める。

 芥川と銃撃戦を繰り広げる竜紹鉄は、またしても危ないところを謎の狙撃手によって助けられる。前線司令部では、新兵たちを戦闘に参加させることが建議される。竜は反対するが、すでに日本軍に包囲されている状況下で彼らに入隊した本分を遂げさせようと段旅長は参戦の許可を出す。
 新兵の教官が彼らに「投降を選ぶか戦闘を選ぶか」と問うと、みないっせいに戦闘を望む。教官は一人でも多くの日本兵を倒すよう命じ、銃剣を装備させて突撃命令をくだす。駆けつけた竜は新兵たちが突撃するのを呆然と見送る。
 戦場で凄惨な白刃戦を行う石頭たち。
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銃剣で刺される日本兵

 芥川は闇雲に戦う新兵は相手にせず、「標的にふさわしい相手」として竜に狙いを定める。竜もまた同時に芥川を撃ち、二人が発射した弾丸が空中でぶつかり合い溶解する……。


12話あらすじ

 必死に電報を送り続ける段旅長に対して、戦区長官から明け方まで持ちこたえるようにとの返電が来る。しかし今の新八旅にとってそれは玉砕の命令に等しかった。
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死を以って日本軍を阻み祖国へ報いいる誓いをたてる司令部
 
 段旅長は戦区長官と最高軍事委員長宛に別れの電報を打たせた後、電源を切り、司令部の皆と命と引き換えに日本軍を葬り去ることを誓い合い、自ら白兵戦に参加する。
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 段旅長(写真右)をはじめ、司令部の人間まで戦闘に参加する段階に

 戦場では石頭たちと日本兵たちがまるでけだもののような殺し合いをしていた。
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般若の形相で日本兵を刺し殺す石頭

 竜紹鉄もすでに白兵戦へと移っており、芥川は再び彼を狙うが、敵味方が入り乱れすぎているため撃つ事ができない。
 石頭たち学生兵は黄河の断崖絶壁に追い詰められる。学生兵たちは黄河のかなたに向かって「父よ母よ あなた方の子は祖先に顔向けすることができます!」と叫び、次々と黄河に身を投げていく。
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 崖ふちに追い詰められた学生兵たち

 段旅長はもはやここまでと銃で自殺を図るが、銭国良に止められてしまう。その時、両軍の虚をついて八路軍が戦場になだれ込む。九児は段旅長を救出し、八路軍は日本軍の包囲網を破って新八旅の退路を確保する。

 大春は突然のことに呆然とする竜の元へ駆けつけ、彼を連れて逃げる。芥川は慌てて二人を追うが、大春は憎悪のあまり追ってくる日本兵と戦おうとする竜を力ずくで押さえつけ茂みに隠れてやり過ごす。しかし二人はすっかり自分達の部隊とはぐれてしまった。

 凄惨な戦いが終わった戦場では、生き残った無名の兵士たちが身を寄せ合い、高らかに不屈の心を詠う。
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 無数の遺体の中から這い出した無名の兵士たち


感想

とりあえず、11話から12話の前半まで。11話~12話は、中国軍が空前の大敗北を期した中条山戦役を舞台にしており、そこで描かれた戦場の様子はこのドラマの白眉であり、監督の力の入れようが伝わってくる。

私はそう思うゆえに、ある希望をこの作品のテーマに込めた。それは、私たちに必要なのは平和であり,戦争はいらない,武器を捨てよう、ということだ。このような反戦の心を持ってテーマと向き合い、それをテーマにこめた。
ttp://ent.qq.com/a/20090928/000429.htm



 これは高希希監督がインタビューで語った「狙撃手」のテーマである。「反戦」を表現する方法は多くあり、監督はその一つとして<白兵戦>を描くことに徹底的にこだわったように思える。
 今までも2話~3話の塹壕での銃撃戦においても「戦場の狂気」はうまく描かれてきた。しかし、姿が見えない相手に向かって塹壕の中から行う銃撃戦は、まだしも一片の「正気」が残っていた。そこには例え圧倒的な恐怖に支配させられている場であっても、個人の資質によって「勇気」「愛国心」「信頼」などの逆境に発揮されてこそ崇高な感情が入り込む余地がかろうじてあった。
 しかし、監督は<白兵戦>を銃撃戦や塹壕戦とは徹底的に異なるものとして描きだす。そこには一片の「正気」もない。「人間性」もなければそもそも「個人」さえもないし、中国軍と日本軍の区別さえもない。

 そこには、ただ目の前の相手と殺しあう獣がいるだけである。

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<白兵戦>と言うと、銃剣で刺突するというイメージがある。しかしドラマ中ではむしろ銃の底で敵の頭部を強打する場合が多い。実際はどうなのか知らないが、なるほど、そうして見ると銃剣で刺突よりもよっぽど現実的な攻撃方法に思えるし、現実の戦場でもそうであるように思えてくる。そして、刺突よりもさらに原始的で野蛮であり、それこそが「戦場」であるようにも。
 殺し合いは銃剣を用いるだけはない。相手を投げる、組み敷く、殴る、首を絞める・・・・・・ありとあらゆる野蛮な方法が画面狭しと繰り広げられる。
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 銃剣を落とし必死にそれを拾うとする石頭。だが寸でのところで拾わせまいとやはり必死な敵に足を捕まれ引きずられていく。
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 またある者は腕を切り落とされ、ある者は頚動脈を切られ、敵を追い詰めたと思いきや逆に背後から切りつけられ、あるいは自らの身体が炎に焼かれているのも失念しているかのように妄執的に相手につかみかかる・・・・・・。
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そんな場面がひたすら延々と続くのである。
それはまず何よりも視聴者に生理的嫌悪感を起こさせるだろう。
そう、それこそがきっと、監督のメッセージなのであろう。
人と人とが殺しあうとはかくもキモチワルイおぞましいものなのだと。
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 今までも相当つらい目にあってきた竜紹鉄だが、今度はまた格別の打撃であっただろう。本当に、製作側は徹底的に主人公を痛めつけるつもりなんだなぁ、と言うのもよくわかる。
 今まで人との関わりを避けてきた竜紹鉄は、新兵たちを戦場から生還させるため、自ら教育係となり彼らを鍛える。それは、彼らに対して愛着を持ち始めている自分を自分でも意外に思うほどの変化であった。

 しかし、彼の努力と想いはすべて水泡に帰す。

 前線の壕で待機を命じられた新兵たちは戦闘参加を望み、追い詰められた司令部も彼らを戦闘に投入することにする。しかしこの期に及んでそれを聞いた竜は「やめてください! 彼らをみんな死なせるつもりですか!」と言うのである。すでに日本軍に完全に包囲されている状況で戦おうと戦うまいと彼らが死ぬのは確実だというのに。
 そして新兵たちの元へ駆けつけた竜の横を(しかし彼はいったい駆けつけてどうするつもりだったのだろう?)雄たけびをあげながら新兵たちが駆け抜けて行く・・・・・・ただそれを呆然と見送るしかない竜はまさしく無力そのものだ。
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駆けつけた竜の横を学生兵たちが駆け抜けていく

 しかも新兵たちは結局日本軍に敵わず崖に追い詰められ、石頭を初めとして次々と黄河に身を投げてしまう。(ちなみにこれは史実をモデルにしている。この戦役だけで八百人の十代の学生兵が黄河に投身自殺をした。ドラマ中でも後に二百人の学生兵は戦死し、八百人の学生兵は黄河に身投げして死んだ、と語られている)竜はその場面をもしっかり見てしまった。
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追い詰められた学生兵たちは次々と黄河に身を投げていく

 竜紹鉄は石頭と新兵たちが黄河に身を投げる悲壮な場面をはっきりと見た。彼は狂ったように銃剣を振りかざして敵陣に突入し、最後の気力を振り絞って鬼子と戦う。目の前に血が飛び散り、彼は心中で念じ続けた。
「好兄弟、俺は来たぞ! 石頭、俺は来た!」(小説版)



 彼は完全に死ぬつもりだった。しかし寸でのところで八路軍と大春に救われてしまう・・・・・・。

 11話と12話の戦場シーンは、本当は言葉では語れない。このシーンだけでも何とか見てもらいたい、と思う。・・・・・・もっとも、あまりにむごたらしいシーンが延々と続くので、覚悟しないと(しても)相当の精神的打撃を被るだろう。
 日本では最近、『坂の上の雲』のドラマの日清戦争の戦闘シーンが話題になったが・・・・・・私は見てないけどネットで評判を聞く限り、迫真と言われるその戦闘シーンも『狙撃手』には到底及ばないように思える。・・・・・・て言うか、これ日本だったら確実にR12指定くらいは受けるかな?



 最後に一言。
 ・・・・・・あの、八路軍の扱いがひどすぎるんですけど(汗)。や、私もどこがどうとは詳しく言いたくないけど、監督は実は八路軍が嫌いなんじゃないかと本気で思った。
 だって、あんな描き方したら、視聴者が八路軍にものすごく反感覚えると思うよ!? 私だってさすがにちょっと嫌な気分になったもの!
 ひどいよ、監督。あんな描き方あんまりだ・・・・・・(単にドラマの展開上仕方なかったと思いたいが、実際どうなんだろう?)
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