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第14話 変化 第15話 待ち伏せ(1)

第14話 あらすじ


 竜紹鉄は、方義球に罪を功で償う機会を与えるよう段之凡旅長に訴え、文軒は軍規を糺すため処刑するよう主張する。結局、段旅長は方義球に機会を与えてやることにする。

 蘇雲暁は竜を訪ね、あの学生達はなぜ死ななければならなかったのか、彼らの家族はどんなにつらいだろうかと語る。

 大春は読み書きのできない二勇に代わって彼の母親への手紙を代筆し、二勇は連絡員である胡子叔に託す。新八旅にいた甥が日本軍の捕虜になって射撃練習で殺されたことを知った胡子叔は今度の任務に同行する。大春は彼が年を取っていることを理由に反対するが、押し切られてしまう。

 竜は石頭銭国良,方義球らを伴って狙撃地点の「前山口」に出発。だがスパイの目をあざむくため、あえて当初の目的とは違う場所に向かう。張脆はその行為を咎め、戻ろうとするが銭らに取り押さえられる。

 大春らと合流した竜は九児がいることにとまどいを覚える。一方、張脆は隙を見てどこかに逃げ出してしまう。

 芥川はスパイから竜らの狙撃地点が「前山口」であることを知らされていた。しかし、あえて中将を予定通りそこを通らせ、竜らを倒す作戦を立てる。中将の安全を顧みない芥川に大野は激怒するが、芥川は中将も己の責務を果たすため危険は覚悟の上だろう、と反論する。   

 張脆はある場所に隠してあった無線機でどこかに連絡を取ろうとするが、謎の狙撃手に撃たれてしまう。付近を捜索中だった文軒らが駆けつけ、張脆は日本軍に助けを求める。文軒はそれを阻止するため張脆を射殺する。

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日本軍に助けを求める張脆

 
 文軒は自分が殺す前に張脆が何者かと争い負傷していたことから、他にもスパイがいると気づく。

 夜営場所で竜は九児と語らう。九児は竜が国民党員ではないと知り、共産党への入党を勧めるが、竜は自由であるためにどこにも属したくないと言う。一人で寂しくないかと九児は問うが、竜は慣れていると答え、九児は悲しくなる。九児が埋もれていた地雷を踏みそうなのに気付いた竜は慌ててかばうが、突然抱き寄せられた九児は驚いて逃げてしまう。

 大春は九児が竜とくっついてしまうのではないかという心配を胡子叔に打ち明ける。胡は、九児と大春はきっとうまくいくと励ますが、大春の気分は晴れない。しかし、竜が悪夢にうなされ、毎夜まともに眠れないらしいことを知り、彼への嫉妬もどこかにいってしまう。

 大春は竜にかつて自分の指揮する部隊が全滅した時のこと、自分が日本軍の所に銃を盗みに行ったせいで仲間が死んだことなどを話し、苦痛と後悔のため何日も悪夢に苛まれた経験を語って、彼の苦しみを分かち合おうとする。そして、八路軍に参加したものの戦場に耐え切れず自殺した学生の話をし、どんなに辛くても彼のように死んではいけない、生きることこそ真に勇気がいることだと竜に語りかける。


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竜に語りかける大春



第15話 あらすじ


 大春は再び竜紹鉄九児が親しくしている様子に嫉妬し、自分が八路軍の結婚に関する規定を満たした時は彼女と結婚するつもりだ、と竜に釘を指す

 移動中の竜たちは、国軍の捕虜たちが日本軍に虐待されながら連行されていくところに出くわす。銭国良方義球は彼らの救出を求めるが、竜は自分たちの居場所を悟られるわけにはいかないと押し留め、連行されていく捕虜たちに必ず仇を討つことを誓う。

 文軒は長年自分に仕え、党に忠誠を誓っていた張脆が裏切り者であったことにショックを受け、蘇雲暁は彼を慰める。

 芥川は罠を張った地点で竜を待ち伏せるが、中将が通りすぎた後も何事も起こらないことから、竜に裏をかかれたことを悟る。芥川は中将の予定を取りやめるよう司令部に伝えるが拒否される。芥川は自分が中将の護衛をし、各地で警備を徹底させる。

 銭国良と偵察に出た方義球は地雷を踏んでしまう。銭は自分が地雷を押さえ(地雷は踏んだ後に身体をどけると爆発する)、銭を地雷から離す。方は銭だけを死なすわけにはいかないと二人で地雷を押さえ、ともに死ぬのを覚悟で同時に飛びのく。しかし方が踏んだのは地雷ではなく、二人は早とちりに笑いながら互いの絆を確認する。

 竜紹鉄たちはある場所に潜伏し、中将が来るのを待つ。竜は大春に何日間もの潜伏に耐えられるかどうか聞くが、大春はまだ兵士になってから二ヶ月しか経っていない時に経験した長征の経験について話し、それを保証する。しかし、竜は本当には長征を理解できていないと大春は秘かに不満に思う。



感想


 今回は前回までの「戦場の悲惨」さから変わって、再びエンタメモードに。まあ例えばガンダムで言えば、序盤の騒動が一騒動し、主人公がさまざまな敵や困難に遭遇しつつ仲間と絆を深めていく、いわゆる二クール目に相当すると思えばいいか。

 とりあえず各人物に見せ場があります。


文軒のショック


 今回、長年、新八旅を苦しめてきたスパイが張脆だとついに判明する。(ただし彼の他にもまだ新八旅内部にはスパイがいることが示唆されている)

 誰よりも漢奸を憎む文軒は、他ならぬ自分の部下がスパイであったことが相当ショックなようだ。普段は気強く振舞っているが、蘇雲暁と二人の時に思わず心情を吐露してしまう。



文軒「こんなことってあるか。私が重慶から連れてきた部下の中で、張脆は最後の一人だった。私はこの目で、彼が党と国に忠誠を誓う宣誓をしたのも見たんだ。彼の家族にも日本軍に殺された者がいる。なのになんだって裏切って漢奸になったんだ! 私には本当にわからない」



 う~む、張脆のことをおべっか使いの部下その1くらいにしか見てないように見えていたけど、実は文軒なりに張脆を部下として大切にしていたんだなぁ。特に自分と同じく「家族を日本軍に殺されている」という過去があるから、よけい信頼していたのかもしれない。

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「最後の一人だった」という言葉から、文軒は今まで軍統の過酷な任務の中で多くの部下を失ってきたのだろう。そして最後の一人である張脆も、日本軍へ駆け込むのを防ぐため文軒が撃ち殺してしまった・・・



大春と胡子叔

 欠点も多いが、(時々狭くなるけど)度量も大きく人間的にタフで、二勇たちの兄貴分な大春だが、今回はちょっと人に甘える弱さもかいま見せた。

 九児と竜がくっつくのではないかと気が気ではない大春はその悩みを胡子叔に打ち明ける。最初は「馬鹿なことを言うな」と相手にしないが、大春が本気で悩んでいるのを見て励ましてやる(私から見ると、この励ましはちょっと的がはずれているように思えるが)

 で、重要なのはここでの二人が、まるで親子のよう、少なくとも大春の方は胡のことを親のように思っていることが伺えることだ。また胡は時々大春を「春児」と幼児を呼ぶように呼び、3話では胡は大春に

胡「おまえは確かに今は隊長さまかもしれないが、俺の中じゃいつまでもちっこいガキだよ」



と言っている。二人は大春が幼い頃からの知り合いで、孤児であった大春にとって親代わりだったのだと思う(今後の話で大春の過去と胡との関係はよりはっきり語られる)。

 しかし、だとすると気になる胡のセリフがある。

胡「このガキ! おまえに戦い方と銃の撃ち方を教えたのは俺だぞ」



 胡子叔が、そのような兵士としての教育を大春に施したのはいつなのか? それはまだ大春が幼い時ではないか?(私はいくつかのセリフから大春の年を計算してみたが、確実に十代前半で兵士になったと思われる)

 つまり頑是無い年の孤児を兵士にするために教育した、とも解釈できる。

 胡子叔は粗野な人間ですぐに怒鳴り散らす人間に描かれている。おそらく幼い大春が泣こうが嫌がろうが、厳しく兵士としてしつけたのだと思う。

 客観的に見れば、ずいぶんひどいことのように思えるが、胡子叔からすれば大春のために最善を尽くしただけだろう。今後の展開で明らかになるが、大春には幼くして兵士になる以外に生きる道はなかった。ならば胡子叔としては、あえて大春を兵士にし、しかも生き残れるように教育することこそ彼のためだと信じていたに違いない。どんな境遇であれ、生きていることは何にも勝ることだと。

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胡「甥よ、叔父の言うことを信じなさい」



 胡子叔は偏屈な性格で、すぐに大春のことを怒鳴りつける一方で親のような愛情を抱いているのは明らかだ。中国語において血縁関係にない自分と相手を、家族関係を表す言葉で表現するのは、相手に家族に準じる情を抱いていることの現われである。


続く
















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